小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.28
~暮らしにまつわるエトセトラ 23~

日本の収納いろいろ

 「断捨離」という言葉が流行ってから、はや数年。その後も、最小限のものだけで暮らす「ミニマリスト」など、ものへの執着を断ち切る思想が定着しつつあります。

 日本にはもともと〝モッタイナイ思想〟があり、ものを大事に使い、壊れたり破れたりしても直すのが当たり前でした。

 そうなると、もちろん収納も大事。日本の伝統的な建築様式には倉庫の役割をする「蔵造り」があります。蔵とまではいかなくても、納屋や物置がある家庭も多いと思います。

 では、もっとコンパクトな収納はどうでしょうか。現在でいうところの収納ケースを、昔は「行李(こうり)」と呼んでいました。竹や柳、藤などを編んでつくったかぶせ蓋つきの箱です。蓋が深いので、収納量が多くなって盛り上がっても大丈夫な優れものでした。

 また調度品や寝具を入れる木箱は「長持(ながもち)」と呼ばれました。もともと「櫃(ひつ)」という収納具がありましたが、江戸時代からは長持が一般化します。端についた金具に棹を通し、2人で担いで持ち運ぶこともできます。近代まで、代表的な嫁入り道具の一つでした。

 引き出しを備えた「箪笥(たんす)」が日本に普及し始めたのは1700年ごろです。行李や長持などの箱だけでは収まらないほど、人々の身のまわりのものが圧倒的に増えたからだとも言われています。箪笥には長持と同じく金具がつけられており、棹を通して運んでいたことから、今でも箪笥を「棹」という単位で数えるのです。

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