小野寺燃料

知って便利灯油ライフ  【解説記事】  

マンガで解説◎知って便利!灯油ライフ

~その1~ 安定供給と安定価格の仕組み

~その2~ 暖かな暮らしをお届するために

~その3~ やっぱりお得!灯油はお財布の味方

北海道は灯油消費王国

 

私たちの生活に石油は欠かせないものです。その石油の中でも身近なものが「灯油」、特に北海道では灯油は家庭の中に深く入り込んでいます。一世帯が光熱費として支出するひと月当たりの費用の中で、「灯油」の購入に充てる金額の割合が北海道では非常に大きな割合を占めます。全国平均では6%程度に過ぎないのに対して、北海道ではこれが20%を超えます。 〈図1〉
 この傾向は、30年も前の昭和のころから変わっておらず、むしろ、当時は今よりも多く灯油が占めていたようです。
 北海道の家庭では、いかに多く灯油が使われているかを見ておきましょう。 図2は、一世帯が年間どれくらいの灯油を購入しているかを地方別に見たものです。これを見てもわかるとおり、北海道は年間1,089㍑で、他の地方と比べて群を抜いています。全国平均は251㍑ですから、北海道はその4倍以上ということになります。購入金額で見ても、全国2万1623円に対して9万3736円、これも4倍を超えます。

冬の主役は夏も活躍

 日本は南北に長い列島であるため、北と南ではライフスタイルもかなり違ったものになってきます。最北にある北海道は冬の間きびしい寒さに見舞われるので、暖房というものが他の多くの地方とは比べものにならないくらい重要になってきます。そこで、燃料としての灯油の出番も多くなってくるわけです。
 実際、北海道の家庭では、灯油が暖房用としてよく使われています。北海道の調査では、暖房用として、戸建てでは95%、集合住宅でも77%の家庭で灯油が使われています。他に、戸建ての場合は、給湯用としても84%、風呂を沸かす燃料としても89%と、さまざまな用途で非常に多く使われているようです。 *参考図表1
 灯油は他の燃料に比べて非常に経済的なので、暖房器具用の燃料としては優れているのです。 〈図3〉
 暖房に使われるのが主流となれば、当然、その灯油の使用量が増える季節は冬です。年間を通して灯油使用量の多い北海道も、12月から年を超えた1,2月の間には一段と使用量が増します。この傾向は、全国的に変わりがありません。どの地方でも、冬の間に灯油の使用量が多くなります。ところが、冬が過ぎても、北海道ではかなり多く灯油が使われているのです。  全国の石油使用量を100として、月別に北海道の使用量を表すと、12月265、1月262、2月278となります。つまり、冬の間は全国平均より2倍をはるかに超え3倍近い量の灯油が北海道では使われていることがわかります。
 冬が過ぎると、多くの地方ではその使用量がめっきりと減りますが、北海道ではそれほどまでには減らない。そのため、全国との差を表す数字はかえって大きくなるというわけです。これが一番大きくなるのは10月で360、夏の6~8月でも300を大きく超えます。この季節に全国平均の3倍から4倍近くの灯油が使われているのです。北海道の人々が、いかに大きな恩恵を灯油から受けているか、灯油と切っても切れない縁にあるかということがうかがえます。 *参考図表2
 これを販売実績のほうから見ても、2012年8月の灯油月間販売量は北海道が96,022KL、これは日本の首都で産業や交通機関も集中している大都市の東京(173,679KL)に次ぐものです。*参考図表3

災害時も灯油の出番

 このように、北海道では生活には欠かせない灯油ですが、これがもたらすものは安さと暖かさだけではありません。石油は、地震などの災害が起こった場合でも、船やタンクローリーといったさまざまな輸送手段で、輸送路を選んで目的地まで運べるといった利点があります。
 最近、日本は東日本大震災という大災害を経験したばかりです。それに伴って原子力発電所の事故という私たちの生存をも脅かす危機に直面しました。これからは、単に日頃の便利さだけを追い求めるのではなく、そのような天災、大災害の場合にも備えた燃料確保のあり方を真剣に考えなければならないでしょう。その意味でも、灯油の良さがますます見直されるかも知れません。

《灯油雑学》

 ここで、灯油にまつわる雑学です。

(1)改めて「灯油」って?
 「灯油」(英語で‘kerosene’:ケロシン)、もちろん石油、正確に言えば、石油製品の一種ですね。石油製品には、このほか、重油、軽油、ナフサ、ガソリンなど、さまざまなものがあります。これらのいずれもが、「原油」(もとの油)から作られます。
 産油国から運ばれてきた原油を製油所の加熱炉で約350℃に加熱すると、蒸気(石油蒸気)になります。これが蒸留塔に送られますが、この蒸留塔は上に行くほど温度が低くなるように制御されており、入ってきた石油蒸気を沸点の低いものから順に分けていくという仕組みになっています。
 沸点30℃~180℃でガソリンなどが、170℃~250℃で灯油が、240℃~350℃で軽油が取り出されます。さらに蒸留塔に残ったものが重油やアスファルトになるというわけです。

(2)北海道ではホームタンクが普及
 北海道は寒いため、灯油を長時間にわたって多量に消費します。このため、500リットル程度の「ホームタンク」が普及しています。消防法では、灯油の貯蔵1,000リットル未満であれば、ホームタンクなどの容器の使用を認めています。ただ、その量については火災予防条例も運用され地域によってさまざまです。消防署への届け出なしで設置できるのが、例えば、北海道では500リットル未満ですが、東京では200リットル未満となります。
 実際に家庭用の灯油を購入する場合の方法も、地方によってかなり違いがあります。北海道では91%とほとんどの家庭で「ホームタンクに直接給油」という買い方をします。北海道と同じように暖房用に灯油を多く使う東北、気温は高いけれど風呂用に灯油を多く使う沖縄でもこの方法で多くの家庭が灯油を購入しています。しかし、それでも、いずれも50%台で、北海道には遠く及びません。反対に、関東などではこれが10%台と少なく、四国、九州に至っては1割にも達しません。これらの地方では、販売店に自分で行って買ってくるというのが主流なのです。* 参考図表4
(3)冷房にも灯油が活躍
エアコンと言えば、すぐに電気のものを思いつきます。しかし、「灯油エアコン(KHP:Kerosine Heat Pump):というものもあります。
 自動車のエアコンと似た仕組みで、灯油エンジンでコンプレッサーを回すことにより冷暖房を行うものです。電気エアコンと基本的には大きく変わるところはないのですが、燃料が灯油であるため非常に経済的で、暖房のときは、エンジンの熱も利用して効率的に速く部屋を暖めることができます。

マンガで解説◎知って便利!灯油ライフ

~その1~ 安定供給と安定価格の仕組み

~その2~ 暖かな暮らしをお届するために

~その3~ やっぱりお得!灯油はお財布の味方